760221 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

さしあたって ただの日記 \(●×●)\

原発で働く19歳のブログ

『2011年3月16日(水)
今日も日記を福島第二原子力発電所環境施設Gの伊澤のPCからお届けしたいと思います。
発電所付近では誰もいないことになっているので、
携帯の電波はまるできません。遮断されています。
こちらでも体調不良の方や女性の方を中心に避難を始めています。
2Fから避難した方々が避難した場所で、「非難」されていないことを祈ります。

まずはコメントくださった皆様、本当に、本当にありがとうございます。
細々としていたサイトがいつの間にか知らない人に知れ渡っていたんですね。(広めた奴だれや!?)
本当に力になります。涙が出ます。(最初のほうの友達のコメント信じられね~。)
こちらでもテレビやネットで様々なエールを頂いたのを目にして、力をもらいました。

「東電社員死ね」だとか
「現場で作業してる人は偉いとかいってるけど、
それが仕事で当たり前。むしろ逃げる奴なんかいたら最低だ。」とか
「たとえ逃げてきても、放射線浴びてきた奴なんか引き取らないでほしい。」とか、
「危険なんか一言も聞いたこと無かったのに、これは裏切りだ。」とか
「原発に送る水、食料が勿体ないから送るな。」とか、
「たとえこの先、原発すべてが安定しても東電を許さない。
 特に原発所員は隔離してほしい。」とか
「発電所いた奴は原発安定させたら死ねばいいんじゃない??」だとか、
とても力強いコメントを頂きました。
地域の方々、特に友達、知り合い、学校で知り合ったみんなの為に全力を尽くしてきたつもりですが、
そんなことで賞賛されることではないことは分かっています。
全力を尽くして対応して当たり前。
否定できないし、しませんし、当たり前なんです。
でも頭で分かっていても、どうしようもないんです。
親父も今、連絡は取れませんが、
私と同じように福島第一原子力発電所で対応しているのだと思います。
親父、自分は家族からも背中を押されて、
「過労死」だけ気をつけろと激励されました。
もし親父が1Fで対応しているのなら、
自分よりも遙かに過酷な状況で対応しているものと思われます。
母親も連絡はつきません。
もし、誰か知っている人がいたら教えてください。
家族から聞いた話では、原町で孤立状態にあるそうです。
ただでさえ薬が切れたら危ないのに・・・。
望みはほとんど捨てています。
もし亡くなっていたとしても、覚悟はできています。
途中、何度も助けにいきたかったけど、私情は挟むことはできません。
今は外に出れば、二度と発電所に戻ることができません。
どうか無事でいてほしいですが・・・・・。
私は親父が1Fで働いてきたこともあり、
東電がこれまで地域にもたらしてきた功績がどれだけのものか、理解しているつもりで、
地域住民としても感謝してきました。
そんな身近にあって尊敬する福島の原子力発電所に入りたくて希望したわけです。
でも今は状況が違います。
何をしても許されることはないことは分かっています。
わたしは今日所長から頂いた言葉に感銘しました。
「福島第一、第二原子力発電所所員に『人権』なし!!」
まさに今の私達はその通りです。
今私達にできることは、一刻も早く原発を安定させることです。
それまではマシーンように感情を持たず、
行けといわれれば行き、無理とされることもやります。
どうか知り合いである皆さんあたたかい目で見ていてください。
2F(福島第二原子力発電所)は無事、全ての号機冷温停止に至ることができました。
今はこの先もしも電源停止や今機能している系統が機能しない事態になったとしても、
他系統でカバーできるよう、作業を続けています。
2Fの安定したことのニュースなんて流れてませんよね?
少ない時間でいいので報道してほしいのに・・・・。

また11時から作業予定なので、これから寝させて頂きます。
それでは 
みなさん 
おやすみなさい。

 3/16 20:31』



『2011年3月17日(木)
【夜分失礼します。】
みなさんのたくさんのコメント、見させて頂いています。
しかし、このサイトでは見られるコメントが最新の50件までなので、
すべてに目を通せていないこと、誠に申し訳なく思います。
本日から私の友人が動いてくれまして、他サイトや掲示板の作成など、
なるべく多くのエールを拝見させて頂けるようにしてもらっています。
また、コメントを見させて頂くうちに、
返答や対応が必要だと思うものも、ちらほら見受けられたので、
今日はその対応にしたいと思います。

まず一つ。
ここを発信源として、誤った情報が広まってしまっていること。
「福島第二原子力発電所の1~4号機が冷温停止しました」と伝えたつもりが、
「福島第一原子力発電所の2号機が冷温停止した」という情報が飛び交っており、
さらなる混乱の原因になってしまっていないか心配です。
この情報はこちら
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031500481 で確認を。

2つめ。
こういったことが現に起こっており、私としても責任をとる必要があり、
仮にマスコミに「東電社員の企業倫理はどうなってるんだ!」と言われてしまえばそれまでなんです。
これはこれから日記で内部情報を容易に書かないよう、気をつけていきたいと思っています。

そして3つめ。
2つめでもいったことを理由に情報公開しなかったことを、
「隠蔽」とされること。
私たちはできるだけ正しい情報を流せるように努力しています。
情報がほしいのは山々ですが、
いまは簡単に外に流せることではないこと、分かってください。

4つめ。
「今まで国や東電のお偉いさんが、
作業員にも一般の方々にも隠し事をしたきたのではないか?」という意見がかなり飛び交っていること。
私たち現場で働く者は、本店のお偉いさん達よりも、
現場のことは現場のほうが理解しているのです。
よって私たちのほうがむしろ本当に非難されるべきであり、
本店側の人達は知らない場所で起こっている知らないことについて、
「情報公開しろ!」「隠蔽すんな!!」とされていて、
それでも謝り続けているのです。
どうかその方達の気持ちもこれで少し分かって頂けるとありがたいです。
また、「現場作業員は原子力や核について、
知識が乏しい人が実際作業しているのか。資格は何か持っているのか。」
という質問がたまたま目に入ったので答えさせて頂くと、
単刀直入に言えば、私たち東電社員にはそういった資格はありません。
ですが、完全に半年間は「研修期間」とされ、作業には当たれません。
その後の半年間も、経験を積んだ人とペアになって学んでいます。
その他現場で作業されている方々は、
工事や作業も様々なものがあり、
それぞれ専門分野の知識を持った企業さん達なので、
そういった意味では、核や原子力の知識が乏しい人がいるかもしれません。
でも今作業に尽力を尽くしている方は、
決して本店の東電社員に負けない知識をもっていることは確かです。

わたしから伝えたいことはそんなところです。
あと、私ごとですが、無事、母親の安否の確認がとれました。
心配してくださった方々、協力してくれた友達、本当にありがとうございました。

また地域の皆様、やり場のない不安、怒りは私にぶつけてください。
みんながみんな応援するメッセージだと、少し不安になります。
正直に言ってくれると、こちらとしても助かります。
私自身が19歳ということもあり、
ごらんになっている方も、年上の方が多く、
なかなかやりにくい所もあると思います。

でも私は福島第二原子力発電所の所員であり、責任も感じています。
今日の日記はみんなの今の不平、不満がコメントにあふれるといいですね。
わたしの希望は
「風呂入って、食いたい物食って、飲みたいもの飲んで、寝たいだけ寝る!」です!!(傲慢かな?笑)

そんなとこで今日の日記を締めさせて頂きます。
おやすみなさい。

 3/1723:59』


© Rakuten Group, Inc.